令和2年度通常総会の開催にあったって

例年であれば皆様一同に介して元気に総会の開催を喜びたいところです。

今年は年明けから新型コロナウイルスが広がり未だに終結の目処が立たずやむなく書面による総会となりました。

私は昨年末から、「30〜40年単位で時代が変わる」と申し上げてきました。歴史的にみて経済は30年単位、戦争・紛争は40年周期で事変が起きているからです。今年はこの30年周期と40年周期が重なる不気味な年だからです。不幸にも今年は環境問題が加わり世界恐慌と同様の時代に突入しました。

今は新型コロナウイルスで怯えていますが、夏以降は大型台風を覚悟しなければなりません。さらに首都圏直下型地震も警戒する必要があります。東京オリンピック、パラリンピックは1年延長になりましたが、来年こそ無事に開催されることを祈るばかりです。

災禍の多くは天災よりも人災です。災害に備え事前のインフラ整備をする。災害が起きた時に的確な対応をする。これだけで被害状況は変わります。災禍の起こす要因が人であるならば解決するのも人間です。

今回の新型コロナの拡大は正に第三次世界大戦と言っても良いかもしれません。この後に起きる事態はさらに深刻かもしれません。世界のリーダーは対応の拙さを自国民から追及されていきます。リーダーは責任を外に転嫁します。中国に対して訴訟も多発するかもしれません。国家間の対立が深まります。

米国、中国、英国、フランス、ロシアの軍事大国も気づいたはずです。核やロケットをいくら保有していても「コロナは解決できない。国民は救えない」ということが。軍事拡大に力を入れている国も、核やロケットを一つ節約するだけで病院や医師、医薬品の整備が見違えるほど立派になることが理解できるはずです。

恐いのは、ウイルス研究が戦争に使われることです。核は使用できなくても予め自国民には免疫を与えておいて対戦国に新型ウイルスを広げる戦略も不可能ではありません。

ものづくりは人を生かし幸せにしなければなりません。私たちのものづくりは時代の流れ、環境に大きく左右されていきます。戦争になれば軍事産業、地震や台風が起きれば建設産業、病気が蔓延すればマスクや医薬品産業に特化していきます。

人々の生活に欠かせないものづくりに関わる私たち技能士会の役割と責任が今後ますます重要になります。災禍には的確・敏速な対応をし、被災地には社会的貢献をしていくことで技能士の社会的地位の向上も実現していきます。

ところで私は先般、全技連の財政が今年度末にも破綻する危機にあることから会費改定を提案しました。ご案内の通り、現在、全技連約10万人加盟者の会費は一人当たりに換算すると70円弱(郵便切手1枚分以下)です。現在の会費は会の創設時に国の補助金約4000万円とセットで組み立てられた額です。

9年前、国からの補助金が全額削減され収入は4分の1になりました。前会長は体調を壊して退任し私が残任期間を勤める約束で就任しましたが今日に至っています。

この間、マイスター会、東技連と協力して事務所経費節減、能力開発協会や東京都の支援、独自の収入増加策等に努め会費の値上げを控えてきました。しかし消費税増や諸物価高騰でこのままでの会費維持は困難となったのです。

東技連、熊本県の会員からはいち早く当初の一人1,000円案に協力の意思表示をいただきました。大変心強く有り難い限りでしたが理事会メンバーではありません。

結局、総会の7か月前の提案でしたが、「唐突であり会員から理解されない」ということで原案(年間一人約1,000円)及び修正案(一人約200円)とも白紙撤回されました。今年度末には財政破綻する危機に対しても代案の提出をいただけませんでした。

今後、「何ヶ月前の提案ならば会員に理解されるのか?」「時間をかければ賛成するのか?」「説明、説得は誰がやるのか?」「後任の会長は他の理事がやってくれるのか?」

また今回の提案で年間100円の会費でも高いと感じる会員が多いこと、その会員から全技連に加入しているメリットを高く求めていることに驚きました。これは技能士でもない私が会長をしていることで迷惑をかけてきたのではないかと反省する次第です。

私は今回の混乱の責任を取り辞任を申し出ましたがこれも理事会で否決されました。不思議な理事会です。時世に疎い私には理解できないことでした。八方ふさがり状態です。

余談ですが、現在、マイスター会は一人年間1万円の会費を頂いています。高いと思う人もいるかもしれません。これは全技連マイスター創設に尽力した先輩方の高い志、目標から決めたものです。全技連も今後は「単に加盟しているだけで良い」という100円会費会員と「技能士会活動に積極的に参加しマイスター、技能継承、名工、叙位叙勲を目指す」という1,000円会費会員とで区分することも必要ではないかと考えます。

私も一部上場の会社の社長を任されたことがあります。赤字会社でしたが「純利益3倍、株価3倍」を目標にして実現させた自負があります。経営者が株主の信頼に応えられるのは株主の投資があるからです。技能士会も同じです。必要最低限の投資(会費)がなければ組織は維持できません。

技能士の中から経営能力のある方に変わっていただくことが最善の解決策と思うようになりました。同時に郵便切手一枚分以下の会費で技能士会を継続する意義、役割の限界を改めて考えさせられているところです。総会で役員人事が了承されますとあと2年間会長を務めることになります。与えられた環境の中でやりますがモチベーションが心配です。

東技連の皆様はぜひ会を設立した原点に戻り、価値観の多様な会員に精神的影響力を発揮して志の高い技能士を一人でも多く育てていただけることを願っています。

厳しい時代を迎えます。皆様一致団結して苦境を乗り切り、来年はまた明るく元気にお会いしましょう。