令和6年 合同新年のつどい・交流会 会長挨拶



一年の予測は元旦にあり

一般社団法人 東京都技能士会連合会
会 長  大 関 東支夫


 新型コロナも落ち着き、ようやく清々しい新年が迎えられると喜んでいましたら、元日に能登半島地震が発生してしまいました。被災された方々にお見舞い申し上げますとともに一日も早い復興をお祈りしたいと思います。
 ただ、「お祈りするばかりでは支援にならない」ということから、先ほど東技連の三役会を招集し寄付を募ることになりました。1口1,000円です。のちほど各団体にお願いの文書が届くかと思いますのでご協力のほどよろしくお願いします。
 この合同賀詞交換会も4年ぶりの開催となりました。
 たしか4年前のこの席で申し上げたことがあります。
 「大きな経済変動は30年周期で起き、戦争・紛争は40年周期でおきている。経済では30年前にバブル崩壊。その30年前が所得倍増計画・高度成長スタート。その30年前が世界恐慌、昭和恐慌です。戦争・紛争は40年前にイラン・イラク戦争、ソ連のアフガン侵攻、天安門事件、ベルリンの壁崩壊。その40年前は第二次世界大戦、その40年前は日露戦争、その40年前は明治維新、アメリカ南北戦争でした。2020年はこの二つの周期が偶然にも重なっている。オリンピックの年だけに無事に終わって欲しい」。と申し上げました。
 参加者の方から、「会長の取越し苦労だ」と笑い声も聴かれました。不幸にも新型コロナが蔓延しオリンピックは1年延期。そして1年後にロシアがウクライナに進攻。その後、異常な物価高という三重苦が始まりました。悪い歴史は繰り返されるようです。これからが心配です。
 私は10年以上前から、元旦に、「今年一年の予測」を作ることを恒例にしています。予測が少し当たるようになってきたので東技連のホームページにも掲載しています。気に留めていただける方は後日、御覧いただけると幸いです。
 今年の予測で気になる点だけ申し上げますと

1、 世界のリーダーが変わっていきます
 今年は選挙の年と言われています。
 世界の70カ国以上の国で首長選挙があります。ロシア、アメリカ、イスラエルも大統領選挙です。日本も今年総選挙です。この選挙結果で戦争も変わりそうです。強いリーダーが求められています。独裁者の誕生も注意しなければなりません。
 トランプ、プーチン、習近平という強烈な指導リスクも覚悟しておく必要があります。二つの戦争も停戦になると思いますが、停戦になってもロシア、イスラエルは占領地にとどまることになります。そうなると、「武力で侵略したもの勝ち」という意識が定着します。中国の台湾進攻も現実的な問題になってきます。
 いまはスペイン風邪と重なった第一次世界大戦当時と似ていると言われます。あの戦争の後に環境問題が起きます。アメリカ中央部で起きた大砂嵐です。スタインベックの小説「怒りの葡萄」に出てくるように、多くの農民が農地を捨てて都会に移ります。ニューヨークでは株が大暴落します。大恐慌となり失業者が溢れます。失業をなくしたのは戦争でした。独裁者が現れ第二次世界大戦になります。同じ道を心配します。

2、世界の緊張に比べると日本は明るいニュースも期待できます
  特に経済面です。

(1)海外からのインバウンドの増加です
 コロナが5類に移行されたのは昨年5月です。それでも昨年の観光客はコロナ禍前を超えました。5兆円を超える消費額です。中国からの観光客はまだ1割程度でこの数字です。これからどれだけ増えるのか。受け入れ態勢の方が心配です。
 観光客は、「日本は安全、安心、高品質の国」と評価します。優れたものづくりが貢献しています。これから日本の進むべき方向はこの「ものづくりの道」です。観光客に着目したものづくり戦略を立てて対応することが元気な日本復活につながりそうです。

(2)日本の株価が暴騰する可能性がでてきました
 今年に入りアメリカをのぞき世界のほとんどの株価が10〜20%下落です。その 中で日本株だけが上昇しています。これまで外人投資家に人気だったのは中国株でしたが、昨年中国に投資した額の9割近くが減り、その金が日本への投資に代わってきています。中国経済の低迷と円安効果で日本の製造業への期待が高まっているのです。
 2024.1月から始まった新NISAも株価を押し上げる材料です。年間360万円、生涯で1800万円の原資に対しては利益がでても非課税です。少ない国民年金の補完資産の形成として定着しそうです。

(3)7月3日に新通貨が発行されます
 日本の最先端の偽造防止技術3Dホログラムを使って作成し旧札との切り替えが始まります。しかし政府の新札発行の真の目的は偽造防止ではなく、「タンス預金のあぶり出し」にあるといいます。各家庭に眠る80兆円ものタンス預金、個人現金保有合計120兆円が動き出します。物価が高騰していますのでタンス預金では目減りします。この金が投資や消費に回ってきます。経済活性化に貢献できそうです。

3,最後は辰年への期待です
十二支の中で唯一、空想上の生き物。「権力や隆盛の象徴。出世や権力に大きく関わる」年。過去の例でも辰年は元気です。ただ辰は架空の動物。ご機嫌を損ねると暴れます。最大の心配は戦争の行方です。停戦になれば株価は暴騰。拡大すれば世界的不況がはじまるのです。いずれにしても今年は波瀾万丈の一年が予想されます。日本はものづくりの国。ものづくりが元気な国は戦争でも災害でも必ず立ち直ります。
 皆さん今年も元気に頑張りましょう。